【トスカーナ州 シエナ】復讐は信念 片っ端から人間を世界から追放する男

歴史ある世界遺産の街イタリア シエナ!

復讐に燃える男の物語【007/慰めの報酬】の印象的なシーン。

冒頭で繰り広げる主人公ジェームズ・ボンドが敵から情報を掴もうとイタリアのシエナを縦横無尽に追っていくアクションシーン。

物語の導入部として新生ジェームズ・ボンドという人物を知るのに充分なアクションが展開されています。

その背景にある歴史ある街並みの景色もアクセントになっています。

映画レビュー【007/慰めの報酬】

前作のラストから本作の冒頭に繋がります。

新生ジェームズ・ボンドは晴れて“殺しのライセンス・00(ダブルオー)”を取得し、それをフル活用して抜け殻になった体の山を築いていきます。
その為、以前あったジェームズ・ボンドのイメージを覆って、演じるダニエル・クレイグの雰囲気もあって、ハードボイルドな作風に生まれ変わっています。

更にアクションも冒頭から始まる追撃は激しく、カーチェイスから走って追いかける。
前作でも同様のシーンがあったけど、本作はもっと緊迫感のある雰囲気になっています。
必ずしも相手を圧倒的に倒すのではなく、ジェームズ・ボンドもケガをして血を流す。
それでも諦めない彼の執念が伝わってきます。

ジェームズ・ボンドが惚れたヴェスパーは死に、現在の彼には復讐しか頭にないのです。
だから無茶な事もできるし、国際ルールなど彼には関係ありません。片っ端から人間を世界から追放していくのです。

いくら殺しのライセンスを持っても、上層部からは白い目で見られ、ついに暴走したと判断され停職処分を食らいます。
それでもジェームズ・ボンドは止まりません。 あらゆる手を使ってヴェスパーを追いやった人間を世界から追放しようとするのです。

タイトルの「慰めの報酬」はジェームズ・ボンドに向けられた言葉でしょう。
最愛の人を失い、それは自分の責任だと痛感する彼は決して冷酷な人間ではありません。
それを物語る彼の一貫した行動こそが、ジェームズ・ボンドの生き様であろう。
その行動から見出した答えによって、ようやくジェームズ・ボンドは本当の「慰めの報酬」を手に入れる事になります。

世界各地を飛び回って破壊をもたらすジェームズ・ボンドは闇の中で、ようやく一筋の光をつかみ取る。 それが本作最大のテーマでしょう。

場所の概要【Siena:シエナ】

イタリアのシエナはトスカーナ州の中部に位置し、基礎自治体と呼ばれるコムーネである。
中世時代の姿を留める旧市街地(シエナ歴史地区)はユネスコの世界遺産に登録されています。
シエナは中世時代から下水道が発達しており、本作ではジェームズ・ボンドがそれを利用して移動していました。
中心部にはカンポ広場があって、中世の広場としてヨーロッパ最大とも言われています。
本作でも登場した競馬「シエナ・パーリオ」は年2回開催されています。

 

 

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